素直な気持ちで愉しんで

賀茂泉酒造 / 前垣 壽宏さん

創立1912年(大正元年)。当時の西条町があった地名である賀茂郡の「賀茂」と山陽道の名水「茗荷清水(みょうがしみず)」を仕込水として用いたことから、”賀茂泉”と名付けられました。その後、株式会社に組織変更し、現在の賀茂泉酒造株式会社となりました。四代目となる現社長は、前垣壽宏(まえがき かずひろ)さん。2019年(令和元年)11月に代表取締役社長に就任され、日本酒造青年協議会の会長も務められております。

賀茂泉酒造の前社長は前垣さんの父親にあたる前垣壽男さん。幼いころから日本酒との関りがあった前垣さんの日本酒への想いを語っていただきました。

「日本酒の業界はどんどん新しい技術が入ってくる。その中で、昔ながらの良いところ、守るべきところは勿論大切にする。」

「しかし、昔ながらのものが絶対というわけではなく、新しいものの良いところは素直に取り入れる。」

日本酒に限らず、あらゆるものは時代と共に移り変わっていく。時代に固執せずに「素直さ」を大事にする前垣さんの姿勢は、賀茂泉酒造の姿勢にも顕れています。

日本酒の海外シェア率は全国平均で約3%ほど、その中でも賀茂泉の日本酒は約15%を誇ります。

「日本に限らず、愉しんでくれる人がいるならばそこに届けたい。」

賀茂泉酒造と前垣さんの、素直に好きなものを愉しんでもらいたい想いが伝わってきます。

賀茂泉の日本酒は活性炭素を用いないろ過を行うことが特長です。

活性炭を用いてろ過を行う製法は、日本酒の雑味を取りすっきりした口当たりのお酒に仕上げます。しかし、同時に本来の良い香りや旨味も取ってしまうこともあります。

あえて活性炭素ろ過を行わない賀茂泉の日本酒は、山吹色の芳醇な香りを放つ独特のお酒に仕上がります。

そうして、香りや色味といった味覚以外の感覚にも訴えることで、日本酒本来の味を「素直に」生み出します。

「考えるのではなく、ただ素直に感じてほしい。誰でも素直に好きな日本酒を愉しめるようになってくれたら嬉しい。」

“賀茂に湧く 清水が生むは 賀茂泉”

【この記事を書いた人】樋口 遥人

体験のご紹介