「自分の中にあるいろんなものから離れてリフレッシュしてもらいたい。」そんな想いを語ってくださったのは今回みちしるべがお届けする体験のホスト・福成寺副住職の大田修法さんです。
東広島駅から車で10分ほど離れた標高約500mの山頂近くに建つ福成寺。春には境内をしゃくなげの花が彩り「しゃくなげ寺」としても有名です。
「福成寺の寺自体も、土地も全て好きだった。」と副住職になられた理由を教えてくださいました。しかし、実は大田さんはこのお寺の出身だった訳ではありません。福成寺の住職さんの娘さんと結婚することが決まり、寺周辺の山での作業を手伝っていくうちにこの場所の魅力にどんどん惹かれていったそうです。

山の上にある福成寺は修験道の寺だったのだろうと大田さんは言います。悟りを得ることを目的として山へ籠って修行をしていた僧たちが訪れていたお寺。街の喧騒から離れたこの場所だからこそ、日常の中では感じられないことがあるといって水に関わる一つのお話をしてくださいました。
容器に入った水を船の上に置いていると、船の振動で、その水は腐らない。反対に堰き止められて溜まっている水は淀み、腐ってしまう。
大田さんはこのお話が人間にも通じる部分があると言います。人は凝り固まってしまうと止まってしまう。だからこそ、循環させたり、震わせたり、普段と違うところに身を置くという時間を提供することは山寺の役目。
